第10回「盗賊基礎論 I 」


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ルディア: 今回は『盗賊基礎論 I 』です。
ナイド: …盗賊、か。
Phant.F: ああ。TRPGではほぼ必須、CRPGでは役割がよく分からなくなりがちな、盗賊系の話だな。
ルディア: 盗賊という名前だけを聞くと、盗む事がメインに思えますが、それではパーティーの役割にはいまいちなりませんよね。
Phant.F: 盗賊の役割として、より多くの金やアイテムを稼ぐというものは重要ではあるが、そこは本質ではないと思うね。
ルディア: では、盗賊の役割の本質とは、なんでしょうか?
ナイド: 結論を先に言えば『節約』だ。いかに他のメンバーのリソースを消費させずに、障害を乗り越えられるようにできるか。それがパーティーにおける盗賊の腕の見せ所だ。
Phant.F: 罠の発見・解除の能力で罠による消耗を回避する。聞き耳や視認で不意打ちを防ぎ、忍び足で先手を取ったり、不要な戦闘を回避したりする。全てはパーティーを、より良い状態、より良い状況で、ボスにたどり着かせるために。
ルディア: ボス戦ですることは無いのですか?
Phant.F: ん〜、ボスへの嫌がらせくらい? あるいは周りに配置されているザコ掃除とか。
ナイド: 盗賊系の能力は、総じてザコに有効で、強敵には効果が薄いからな。もっとも、油断している相手には強烈な一撃をお見舞いする事になるが。
ルディア: それがあるから、相手に盗賊系を見ると変な緊張感があるんですよねぇ。
Phant.F: 実際には、格下の盗賊系など戦士が正面から叩きのめせば、大した消耗もなくぶっ潰せるものなんだけどねぇ。後ろから魔術師とかを狙って先手を取られると少々ヤバい事になりかねんが。
ルディア: では、いつもの質問です。盗賊にとって大切な心がけとは、何だと思いますか?
ナイド: 一時たりとも油断しない事。刹那の油断が、パーティーの壊滅を招くからな。あとは相手の隙を常に探り、隙あらば相手を無駄に消耗させる事か。
Phant.F: ま、最低限、レーダーの役割を果たしていれば、あとは戦闘寄りにするも、技術寄りにするも、話術寄りにするも、好みの世界だな。
ルディア: まずは危険を察知する事、そして何らかの手段で危険を回避・軽減する事ですね。最もファンタジーらしくない存在でありながら、ファンタジーを象徴する『冒険者』に最も相応しい存在、と言えるかもしれませんね。

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