第3回「世界概論 I 」
ルディア: | 今回のテーマは、『世界概論 I 』です。 |
ナイド: | ‥‥全然話の範囲が狭くなっていないな。 |
Phant.F: | すまん、確信犯(誤用)だ。 |
ナイド: | お前な。 ――しかも誤用と知りつつ使うのか、その言葉をその意味で。 |
ルディア: | 誤用の方が一般に広まっている事も少なくないですからね。 |
Phant.F: | そう、カタールとか。 |
ナイド: | わざわざそんな分かりにくいものを例えに出すな。 |
ルディア: | それよりも世界の話なのですけど。 |
Phant.F: |
おっと、すまん。 世界とはすなわちキャラクターが存在できる場所であり、極論すれば、キャラクターと物語以外は全て世界と言ってもいい。 |
ナイド: | 物理法則も、魔法の仕組みも、法律も、国も、街も、自然も、歴史も、常識も、道具も、全ては世界の設定。 必要に迫られない限り決定する必要が無い点あたり、ある意味キャラクターの設定に似ていると言えなくも無い。 |
ルディア: | 似ていますか。 世界が決まる事により決める事のできるキャラクター設定も多いので、納得のいく話ではありますね。 |
Phant.F: | いや、もっと極論を言えば、キャラクターも物語さえも世界の一部なのだが。 ただ、キャラクターと物語は切り離して特別視しないと意味が無いからあえて切り離しているだけだよ。 逆に言えば、焦点を当てられていないキャラクターは世界の一部になる。 |
ルディア: | 今話しているこの場は世界なのですか? |
Phant.F: | 世界だね。 ただ、こういう話をする場所という事だけが決められただけの何も構築されていない世界だけど。 僕らがどのような場所で話しているだとか、そういった事は決める必要が無い事として、明記されていない。 |
ナイド: | 読み手には想像して決める自由もあるし、決めない自由もある。 立ち話をしていると解釈されても、テーブルでティータイムの最中に話されていると解釈されても、何も無い白い空間で3人だけが存在していて話していると解釈されても、もちろん何も想像しなくても、それは全く構わないわけだ。 |
ルディア: | それじゃあ、ティータイムに決定です♪ |
Phant.F: | ‥‥いやまあ、いいけどさ。 決めるのはキミじゃなくてあくまで読み手だよ。 |
ナイド: | ふむ、独立した世界は楽だな。 勝手に自分で決めれるし、決めずに受け取り手に一任させる事もできる。 共有世界ではこうは行くまい。 |
ルディア: | 共有するとなると、最低限決まっているべき事がかなり多いですからね。 |
Phant.F: |
共有するととたんに大変になるのはキャラクターも同じだけどね。 世界が決まるとキャラクターとして設定可能な範囲が狭くなるけど、共有世界は特にそれが狭くなりがちだから。 |
ナイド: | 多数の人間の手が入るというのはそういう事だ。 ルールが無ければ拡散するし、ルールを決めようと思うと途端に収束する。 |
ルディア: | 共有世界は世界ありき、ですから。 個人で作るときのように、キャラクターありきで作る事はできませんから、キャラクター作成に制限がかかるのは当然です。 |
Phant.F: | 個人で作るなら、吸血鬼のキャラ創りたいからそういう世界を創るとか、神様動かしたいからそういう世界を創るとか、あるいは世界を専用に創らないまでも世界が例外を許容するようには創れるからなぁ。 |
ナイド: | まあ共有世界と言えど、必ずしもキャラクターに縛りがかかっているとは限らないのだが‥‥その辺りは自浄作用というか、自重作用(謎)というか、その類のものがあるからな。 |
Phant.F: |
話が妙に共有世界のほうに寄ってしまったが、とにかく世界とはキャラクターの居場所だ。世界が決まれば、自ずとその世界で行えることは限られてくる。 魔法の存在しない世界では、魔法使いでも魔法を使えないのだからね。 |
ルディア: | 魔法の使えない世界では、魔法使いは存在しないのでは無いでしょうか? |
ナイド: | Fの言いたかった事は、そういう事だ。 世界と矛盾する事はできないし、世界と矛盾する物は存在しない。 |
Phant.F: | 世界とは、ルールでもあるからね。 まあ、それが全てでは無いし、むしろ世界設定というのは幻想をリアルっぽく――現実に近いという意味ではなくて、存在の実感を高めるというか‥‥実在するように思わせるというか‥‥うーむ、表現が難しい。 |
ルディア: | えーっと‥‥薄っぺらなものじゃなくて、厚みのある世界にするというようなイメージでしょうか。 |
ナイド: | 世界の存在感を増すとか、そんな感じか? |
Phant.F: | 表現は難しいけど、理解していただけるとありがたいなぁ。 |
ルディア: | これこそが、今回の話のキーポイントですからね。 |
ナイド: | そうだな。 今回はまとめると、世界とはキャラクターが存在できる場所であり、ルールであり、幻想をより重厚なものにする為のもの、といった具合か。 |
Phant.F: | この場の世界は、本当に薄っぺらだけどね。 いや、この場の世界に厚みがある必要など無いし、僕が厚みを付ける事は無駄で邪魔なことなのだけど。 読み手が厚みを加える事は全く問題無いのだけれど。 |
ルディア: |
というわけで、今回は幻想の世界についてでした。 次からこそは、一般論から離れて細部に話が移行すると思います。 それでは皆様、今回もお付き合いありがとうございました♪ |
-- Piece of Phantom --
composed by Phant.F
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