第20回「危険な危険なテレポート!?」

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(『空の魔術師』)テレポートか〜。あれは確かにある意味危険な魔法だね。
(『闇夜の風』)おい、F(素のことである)‥‥。
(『幻想の幻影』)何か?
(『闇夜の風』)これでは分かりにくすぎるだろう。しかも『空の魔術師』はこちらの世界の住人では無い。あの世界(オリジナルの世界らしい)から連れてくるなら、一言くらい注釈をつけるべきだ。
(『空の魔術師』)そうだね。しかもむこうの世界でも『闇夜の風』とはお互い名前を知っているが会ったことはないという関係だし。
(『幻想の幻影』)いや、問題ないさ。今の会話でだいたい察しがつくだろう。ああ、一つだけ注釈を入れるならば、『空の魔術師』は魔術の知識なら右に出るものはいないと言われている大魔術師で、外見年齢25前後の謎な人(男)。
(『闇夜の風』)しかし通り名、真の物で統一したのか‥‥。ってこれは関係のない話だな。
(『幻想の幻影』)で、テレポートの話だ。オレはこの世界では実体を持っていないからあまり関係ないが‥‥。
(『空の魔術師』)この世界って瞬間移動能力保持者が多いね。理論は様々なんだろうけど。
(『幻想の幻影』)感想はいいから、瞬間移動の危険性を教えてくれ。
(『空の魔術師』)それなら僕からは、呪文そのものの危険性を。行使されたときの危険性は、そっちの専門であるナイド君にまかせよう。
(『闇夜の風』)承知した。
(『空の魔術師』)瞬間移動魔法は、非常に高度な魔法だ。魔法以外のものでも、高度な技術を要する物であろう。
(『幻想の幻影』)WizのMALOR(綴りこれでいいよなぁ?)は7レベル(最高レベル)の魔術師魔法だよね。――DQ7のルーラってMP1だけど(笑)。
(『空の魔術師』)ある場所に移動する場合、見えている場所は比較的楽だ。が、今見えていない場所となると、明確なイメージが必要になる。魔法によっては良く覚えている場所しか行けなかったりするけど、それは恐らく安全装置だね。距離のイメージだけで『跳』ぶと、最悪の場合‥‥存在そのものが消失する。
(『空の魔術師』)また、距離が長くなるほど大きな力が必要となるね。そして、正確さが遠くなるにしたがって下がっていく。要するに、場所がズレるのさ。一度緊急脱出のために急いで遠距離のテレポートを使ったことがあったけど、あの時は地面より2mくらい上だったのに加えて湖にドボーン!だったからなぁ。
(『幻想の幻影』)なるほどねぇ。
(『闇夜の風』)ならば、オレからは違った視点からの危険性を。まず、攻撃魔法としての瞬間移動、別名他者移動だ。これは人にかける瞬間移動魔法。抵抗されることもあるが、人そのものを上空に『跳』ばしたり、装備だけを『跳』ばして武装解除、重いものを相手の頭上に『跳』ばして‥‥なんてものがある。‥‥まあ、いずれにせよかなりの魔法力が必要になるが。
(『闇夜の風』)防御魔法にもなる。通称瞬間回避だ。決まればほとんどの物理的攻撃は無効にできる。射撃魔法にも有効だ。ただし、これは魔法の瞬間発動が可能でなければ使えない。だから、行使できる者はかなり限られる。
(『闇夜の風』)先ほど少し話に出た有視界テレポート。つまり、見えている場所にはテレポートできるというものだ。これを使えば、見えている場所にならどこへでも行ける。まあ、距離が遠くなるとキツいが。だが、これは見えている場所ならどこでも侵入が可能という事を意味する。
(『空の魔術師』)一応対抗呪文はあるけどね。瞬間移動による出入りを防ぐフィールドを張るものとか。でもまあナイド君の言うような使い方をすれば、犯罪はかなり容易になるね。囲まれても『跳』んで逃げるだけだし。
(『闇夜の風』)だが、幾多の要人がこの呪文絡みで消された事か‥‥。
(『幻想の幻影』)暗い、暗すぎだぞナイド!
(『空の魔術師』)僕としては、使い手達が悪用しないことを祈るのみだね‥‥。まあ、僕の世界の方なら、見かねた奴は僕がじきじきに消しに行こう。
(『幻想の幻影』)さらりと危険なことを‥‥。まあいいか、今回はこの辺で。(第20回・終わり)

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