第5回「槍:柄が長く先端が重くない近接刺突武器」
ルディア: | 第5回目は、槍ですか。これは何を意識した順番なのですか? |
Phant.F: | あまり深くは考えていないけれど、成り立ち順というか、武器の複雑さ順というか、そんなイメージで考えているよ。 |
ナイド: | 槍は「柄が長く先端が重くない近接刺突武器」だ。用法は、可能な限り相手の間合いより遠くから突き刺す。長い物を突き出すという動作は高度で練度を必要とするが、比較的小さな動作で致命的な一撃を与えうる。 |
Phant.F: | 攻撃の動作が比較的小さく、武器の間合いが長いという事で、敵の攻撃を寄せ付けない、武器の間合いによる防御力がある。 |
ルディア: | 武器の構造としては比較的単純ですが、使いこなすにはかなりの腕前が必要になりそうですね。突きの技術と、間合いの技術と、攻防共に難度の高い技術です。 |
Phant.F: | 例外は多々あるが、どちらかと言えば両手持ちの武器に属する。攻防共に優れる武器であるが、間合いの中に入られて防御のアドバンテージを無くすと、リカバーしづらい状況になる。両手武器であるが故に、別の装備での埋め合わせも効かない。 |
ナイド: | 短めの槍を片手で持ち、もう片方の手で盾を持つという選択もあるが、ただでさえ難しい突きの難度がさらに上がり、攻撃の命中精度を犠牲にすることになり、結果的に攻撃力が下がる。さらに間合いも短くなり武器による防御力も下がる。片手で槍を十分に扱う技量が無ければ、なかなか難しい選択だ。 |
ルディア: | 逆に言えば、技量と器用さがあれば攻防共に優れた強力な武器になりますね。 |
Phant.F: | 短所は既に話題にあがっているが、高い練度が必要な事だな。長い武器の突きは狙いを定めるのがかなり難しい。しかし主となる攻撃方法が突きである故、それができなければ話が始まらない。 |
ナイド: | そればかりは、補うための有効な策もなかなか無いな。 |
ルディア: | 槍の有効な使い方は、どのようなものが考えられるでしょうか。 |
Phant.F: | 相手の間合いの外から、間合いの内側に入らせないように牽制しつつ、致命的な箇所への攻撃を継続する、というものだろうか。 |
ナイド: | 刺突は当たり所でかなりダメージが変わる特性を持つので、牽制と攻撃は見抜かれないように使い分け、攻撃はきっちり致命的な箇所を狙う必要がある。 |
ルディア: | 基本的な武器かと思いきや、予想以上に練度の必要な武器ですね。 |
Phant.F: | まあ、練度が不要な武器など存在しない。比較的練度が低くても性能を発揮しやすい武器は存在するが、槍はそのような武器ではない、という事だな。 |
ナイド: | だが、間合いが長く、一撃が致命的になりうるという特性は、練度差があれば少ない消耗で一方的に無双できる可能性があるという事を意味する。相手のまぐれ当りさえ許さない。相手の攻撃間合いに到達する前に相手が倒れているのだから。 |
ルディア: | ゲーム的には、広範囲攻撃があったり、足払いがあったり、狙いすました一撃があったり、連撃があったりと、いろいろな状況で活躍できる器用な武器、というイメージがありますね。 |
Phant.F: | その分、使い手に器用さが求められるな。使いこなせれば、性能的にも、状況的にも、これといった弱点は無い。長い武器は狭い場所で使いにくいと言うが、突きが主体の槍であれば他の武器に比べて大きな障害にはならないのでは無いか。よっぽど長ければ話は別だが。 |
ナイド: | ただし、ことファンタジーにおいては、刺突が有効でない敵・・・無機物のモンスターや、内臓の無いモンスターなど、槍で倒しづらい敵は存在する。が、まあそれくらいか。相対する敵のうち、全体の1割にも満たないだろう。 |
ルディア: | というわけで槍とは、使いこなすには練度が必要になるが、使いこなせれば様々な状況に対応できる器用さを持つ武器でした。単純な造りとは裏腹に、単純ではない武器ですね。 |
ナイド: | 近接武器の代表の1つにあげられる、当然ながら良い武器だ。 |
ルディア: | 以上、槍の回でした。では、今回はこの辺りで終わりにしましょう。 |
-- Piece of Phantom --
composed by Phant.F
composed by Phant.F