第2回「片手武器と両手武器」


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ルディア: 第2回目は、片手武器と両手武器についてですね。
Phant.F: 定義は単純で、片手で扱うものか、両手で扱うものか、というだけではあるが・・・
ナイド: これも境界線上のものが存在するな。すなわち、片手でも両手でも使用することを想定された武器。短めの槍、それなりの長さの剣や刀、などが該当する。
ルディア: 境界線上のものはいったん置いておきまして、それぞれの特性・利点は何でしょうか?
Phant.F: 両手を使う事で、片手では使えないほど重たかったり、長すぎてバランスが悪かったりしても武器として扱える。だから両手武器は、同じ存在が片手武器を扱うのに比べて必然的に、より重いものか、より長いものになる。
ナイド: 重さは威力に直結するし、長さは間合いに直結する。だから両手武器は片手武器に比べて、威力が高いか、間合いが長いか、その両方かになる。
Phant.F: それから、両手が使えるという事で、振るタイプの武器にはより力が込められるし、突くタイプの武器はより精度が上がる。武器を保持する力が上がるから、武器を取り落としにくいし、武器を弾かれづらいから防御にも優れる。
ルディア: それだけを聞く限り、両手武器の方が優れているように聞こえますね。
Phant.F: まあ、単純な武器性能として、片手武器が同カテゴリの両手武器に比べて優れていることはまず無いね。小さい武器は携帯性、隠密性には優れるけれど、それは武器性能と言うには少し違うと思うし。
ルディア: ですが、それでも片手武器は数多くあります。片手武器にもそれなりの利点はあるのですよね?
ナイド: もちろんある。片手武器の最大の利点は、片手しか使わない事だ。両手武器を使えば、両手はふさがる。片手武器を使えば、もう片手は自由だ。
Phant.F: 空いたもう片方の手に、別の片手武器を持とうが、盾を持とうが、松明などの明かりを持とうが、空けておいて物を掴んだり地面に手をついたりなど移動の手助けにしようが、全くの自由だ。
ルディア: つまり、片手を空けるために、片手で武器を持つという選択肢が存在する、という事ですね。当然のことと言えばそれまでですが、確かにそれは重要ですね。
Phant.F: 戦士として考えるならば、盾を持つという選択肢は、戦士としての本分である『壁』としての役割を果たすことにおいてとても重要なものだ。攻撃力の高い味方がいる場合、自分の攻撃力を犠牲にしてでも防御力を高めて敵を引き付けるというのは、非常に有効な戦略だ。
ナイド: 狭い場所や暗い場所で戦うことが多いファンタジー的冒険者ならば、小型武器2本装備や、明かりの手持ち、果てはポーションを扱うため、などというのも考えられるな。
ルディア: では、一旦は置いておいた、境界線上の武器についてはどうでしょうか。
Phant.F: 代表的な所だとバスタードソードや打刀、ショートスピアなどが該当するだろうか。例えばバスタードソードならば、片手で振ることができ、両手で持って精度の高い突きを繰り出すことができるという。
ナイド: 普段は盾と共に装備し、いざという時は盾を放り出して両手持ちにできる、という武器ではあるが、よほど練度が無ければ性能を十全に発揮できないのでは無かろうか。やれることが多い武器というのは、それだけで難しいものだ。
Phant.F: 武器の難度については別の機会に譲るとしても、境界線上の武器は片手で扱うにはやや扱いづらく、両手で扱うには他に比べて威力が不足するという、中途半端な事にもなりかねない。実際に片手でも両手でも扱えるという事がどれだけの優位性のある事であるかはよく分からない。
ナイド: 強いと言われる日本刀・・・この場合で言う打刀についても、基本的には両手持ちで一応片手でも扱える、というくらいのバランスだからな。
ルディア: ではそろそろまとめますと、両手武器は武器の性能としては攻防共に片手武器より優れる。ただし、両手を使う必要がある。片手武器は武器単体の性能では両手武器には及ばないが、もう片手の装備は自由である。
ナイド: 境界線上の武器は、どちらの性能も併せ持つという便利なものではなく、切り替えはできるが性能としてはどっちつかずになりがちで、十全に性能を発揮するには高い練度が必要であろう。と言ったところか。
ルディア: 自分が何者であるか、どんな役割を担うか、によって選択が変わりそうですね。では、今回はこの辺りで終わりにしましょう。

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