武器比較の欠片 --Weapon Compare--

幻想の欠片と迷ったが、遊戯の欠片に入れる事にした文章。
ゲーム世界における武器種の性能比較について。


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新版


中世風ファンタジーをベースにしたゲーム世界の武器について、武器種で性能比較するという、挑戦的なことを試みる。異論はいくらでも認めるものとする。
観点の評価は次のとおり。

・攻撃性能
打撃力、装甲貫通力、致命打になりやすさ、を総合評価。
重量があったり、鋭い刃が付いていたりすると高くなる。
低いと主武器としては力不足。
・防御性能
攻撃をさばく力、敵の寄せ付けなさ、を総合評価。
バランスが良い武器や、間合いの長い武器だと高くなる。
低いと別の防御手段(盾、硬い小手、鎧、優秀な身のこなし、など)が必要。
・汎用性
武器としての使い方の多さを評価。
複数の攻撃方法があると高くなる。
低いと特定の相手に弱い事がある。
・扱い易さ
どの程度の練度である程度十分に武器の性能を発揮できるか、を評価。
攻撃方法が単純であったり、刃が付いていないと高くなる。
低いと訓練時間が多く必要。
・携帯性
持ち運びやすさを評価。
長くない、バランスが悪くない、手を使わなくても持ち運べると高くなる。
低いと平時の際に不便。

武器種の説明は後からするとして、いきなり評価表を出してみる。
なお、飛び道具は今回の話からは除外した。

武器種攻撃性能防御性能汎用性扱い易さ携帯性
片手杖14255
片手槌32154
短剣 22235
短刀 22235
片手槍34322
片手斧42243
片手嘴42133
片手剣34424
曲刀 34224
細剣 34224
武器種攻撃性能防御性能汎用性扱い易さ携帯性
両手杖25252
長柄槌43152
殻竿 52111
両手槍45221
槍刀 45231
長柄斧53141
長柄嘴53131
大鎌 43311
槍斧 53511
両手剣44422
両手刀44222

各々の武器種は、以下の考えで種類分けをしている。

武器種持ち手柄の長さ重い打撃部
片手杖片手短めなしなし(打)
片手槌片手短めありなし(打)
短剣 片手短いなし短い(刺)
短刀 片手短いなし短い(鋭斬)
片手槍片手長めなし短い(刺)
片手斧片手短めあり短い(斬)
片手嘴片手短めあり短い(刺)
片手剣片手短いなし長め(斬)(刺)
曲刀 片手短いなし長め(鋭斬)
細剣 片手短いなし長め(刺)
武器種持ち手柄の長さ重い打撃部
両手杖両手長いなしなし(打)
長柄槌両手長めありなし(打)
殻竿 両手長めあり,可動なし(打)
両手槍両手長いなし短い(刺)
槍刀 両手長いなし短め(斬)
長柄斧両手長めあり短い(斬)
長柄嘴両手長めあり短い(刺)
大鎌 両手長めなし長め(斬)(刺)
槍斧 両手長めあり短い(刺)+短い(斬)
両手剣両手短めなし長い(斬)(刺)
両手刀両手短めなし長い(鋭斬)

上記を踏まえ、各々の説明。

●片手杖
いわゆる「ひのきの棒」などが該当する武器種。
片手で扱える範囲の棒で、重い打撃部も無く、刃も無い、というもの。
扱いは容易であり、武器による防御能力は優秀であるが、攻撃力に欠ける。
長さによっては普通に杖として使えるので、山道のお供に一本、というのもアリかも知れない。
●片手槌
「メイス」「ハンマー」などが該当する武器種。
片手で扱える長さと重さで、刃の無い重い打撃部がついているもの。
扱いは容易であり、それなりに打撃力もあるが、長さが無くバランスが悪いため、防御には向かない。
重装同士で戦う時、行きつく先は単純な殴り合いである。そうした時、鈍器こそ最大の武器となる。
●短剣
「ダガー」「スティレット」などが該当する武器種。
短い柄に、突き刺すのに向いた短い刃が付いているもの。
小型であり、鞘もあれば優れた携帯性があるが、短いため攻防ともに心許ない。
サブウェポンとして、投擲武器として、あるいは止めを刺すための武器としては重宝するだろう。
●短刀
「ナイフ」などが該当する武器種。
短い柄に、切るのに向いた短い刃が付いているもの。
小型であり、鞘もあれば優れた携帯性があるが、短いため攻防ともに心許ない。
優れた素早さがあれば大化けするかも知れないが、基本的には武器にもなる道具くらいに考えるのが無難。
●片手槍
「ショートスピア」「ジャベリン」などが該当する武器種。
片手で取りまわせる限界近くまでの長さの柄に、突き刺すのに向いた短い刃が付いているもの。
鋭い突きにはそれなりの攻撃力があり、間合いにより防御能力も高めだが、片手による突きはかなり難しい。
投擲武器にすることも不可能では無いが、長いため携帯性は悪く、何本も持てる物ではない。
メインにするには十分な練度が無ければ決定力が足らず、サブにするには持ち運びに困る、総じて扱いの難しい武器。使う者が使えば強い、かも知れない。
●片手斧
「バトルアックス」「トマホーク」などが該当する武器種。
片手で扱える長さと重さで、分厚い刃の重い打撃部がついているもの。
比較的扱いやすく、高い打撃力を持つが、長さが無くバランスが悪いため、防御には向かない。
いざとなれば投擲も不可能ではない。無機物、特に木材などへの破壊力が高いのもポイント。
別に防御手段が用意できるのであれば、主力を張れる武器となる。
●片手嘴
「バトルピック」などが該当する武器種。
片手で扱える長さと重さで、振って突き刺す重い打撃部がついているもの。
高い貫通力を持つが、長さが無くバランスが悪いため、防御には向かない。
無機物、特に石材などへの破壊力が高いのもポイント。
別に防御手段が必要であり、振って突き刺すのにはそれなりに技術が必要となる。
装甲貫通性能は斧を超えるので、相手次第では化けることもある。
●片手剣
「ロングソード」などが該当する武器種。
短い柄に、片手で扱える長さの刃が付いているもの。斬りにも突き刺しにも使える。
それなりの攻撃力があり、そこそこの長さでバランスが良いので防御能力が高めだが、多機能さを使いこなすには練度が必要となる。
決定打にはやや欠けるが、携帯性の良さからサブウェポンとしても優秀となる。
●曲刀
「シミター」などが該当する武器種。
短い柄に、片手で扱える長さで湾曲した斬撃向きの刃が付いているもの。
片手剣の一種であり、攻撃性能・防御性能は片手剣に準ずる。比較すればやや攻撃性能寄りか。
刺突が無い代わりに、湾曲した刃による斬撃を十分な威力にするために練度が必要になる。
●細剣
「レイピア」などが該当する武器種。
短い柄に、片手で扱える長さで突き刺すのに向いた細身の刃が付いているもの。
片手剣の一種であり、攻撃性能・防御性能は片手剣に準ずる。比較すればやや防御性能寄りか。
片手による突きはかなり難しいため、十分な精度にするために練度が必要になる。
●両手杖
「クォータースタッフ」などが該当する武器種。
両手で扱う長い棒で、重い打撃部も無く、刃も無い、というもの。
扱いは容易であり、間合いがあり両手で扱うこともあり武器による防御能力は非常に優秀であるが、やはり攻撃力に欠ける。
携帯性はいまひとつではあるが、護身用としては選択肢の1つに上がるだろう。
●長柄槌
ハンマーヘッドの付いたポールウェポンが該当する武器種。あえて呼ぶなら「ポールハンマー」だが、あまり一般的な名称ではないか。
両手で扱う長い棒の先端に、刃の無い重い打撃部がついているもの。
扱いは容易であり、かなり打撃力があり、ある程度の防御力もある。
重装同士の戦いの終着点の1つ。遠心力の乗った鈍器の衝撃は、いかなる鎧を着ていてもただでは済まない。
●殻竿
「フレイル」などが該当する武器種。
ある程度長さのある柄の先に、可動する刃の無い重い打撃部がついているもの。
鈍器の扱いやすさを捨て、打撃力を追及した一品。防御に使う事も難しく、そもそも攻撃にも相応の練度が必要となる。携帯性の悪さは言わずもがな。
極まった武器ではあるが、それゆえ使いこなせれば強力でもある。使いこなせれば。
●両手槍
「ロングスピア」などが該当する武器種。
両手で扱う長い棒の先端に、突き刺すのに向いた短い刃が付いているもの。
長い間合いによる高い防御力と、鋭い突きによるかなりの攻撃力を持つが、間合いの維持や長い武器による突きに練度が必要である。
長いため携帯性は悪いが、メインウェポンとして使える十分な性能がある。単純な造りながら、その性能は強力。
●槍刀
「グレイヴ」「なぎなた」などが該当する武器種。
両手で扱う長い棒の先端に、斬撃向きの刃が付いているもの。
長い間合いによる高い防御力と、遠心力の乗った斬撃によるかなりの攻撃力を持つ。ある程度の練度は必要。
長いため携帯性は悪いが、武器としてのバランスは良く、メインウェポンとして使える十分な性能がある。
●長柄斧
「ポールアックス」などが該当する武器種。
ある程度長さのある柄に、分厚い刃の重い打撃部がついているもの。
とても高い攻撃力を持ち、ある程度の防御力もある。扱いやすさもそれなり。
長さと形状のため携帯性は悪いが、その切断力は随一。大概のものは叩き斬れる。
●長柄嘴
ピックの付いたポールウェポンが該当する武器種。あえて呼ぶなら「ポールピック」だが、あまり一般的な名称ではないか。
ある程度長さのある柄に、振って突き刺す重い打撃部がついているもの。
とても高い攻撃力を持ち、ある程度の防御力もあるが、振って突き刺す事にある程度の練度が必要となる。
長さと形状のため携帯性は悪いが、その貫通力は随一。大概のものは貫き通せる。
●大鎌
「サイズ」などが該当する武器種。
ある程度長さのある柄に、そこそこの長さで内向きの刈り取る刃がついているもの。一応突き刺しも可。
それなりの攻撃力を持ち、ある程度の防御力もあるが、扱いの難しい形状はかなりの練度を要求する。
もともと鎌の扱いに慣れていたり、それしか武器が無かったり、という理由で無いのにこの武器を使うのは、挑戦的であると言えるだろう。
●槍斧
「ハルバード」などが該当する武器種。
ある程度長さのある柄に、突き刺すのに向いた短い刃と、分厚い刃の重い打撃部と、場合によってはフックやピックが付いているもの。
高い攻撃力と、数多くの攻撃手段、ある程度の防御能力も持つが、多彩であるが故に扱いは非常に難しく、使いこなすには相当の練度が必要となる。
長さと形状のため携帯性は悪い。性能は良いので、使いこなせれば非常に強力。しかし文句なしのメインウェポンにするための訓練は長い道のりとなるだろう。
●両手剣
「ツヴァイハンダー」などが該当する武器種。
短めの柄に、斬りにも突き刺しにも使える長い刃がついているもの。
かなりの攻撃力、悪くない防御性能、割と多彩な攻撃手段を持つが、多彩である分、やはり練度は必要。
同じ長さの他の武器に比べ、鞘に入れて背負えるため携帯性が少し良い。やや難しいが、バランスの良い武器であると言えるだろう。
●両手刀
「野太刀」などが該当する武器種。
短めの柄に、湾曲した斬撃向きの長い刃ついているもの。
大きく見れば両手剣の一種。両手剣に近い性能を持つが、やや攻撃寄りか。
曲刀と同じく、刺突が無い代わりに、湾曲した刃による斬撃を十分な威力にするために練度が必要になる。

あくまで考え方の1つであり、これが全てでは無い。
そもそも現実として上記の通りであるとも思っておらず、ある程度ゲーム世界向けに均したつもりである。
これが誰かの何かの参考になれば、幸いな事である。

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追記。
・ショートソードは?
全てが短剣と片手剣の中間、と考えて良いかと。
ショートソードの武器種としての日本語名が、どうにもしっくり来るものが無い。
・バスタードソードは?
「扱い易さ」以外は片手剣と両手剣の中間、と考えて良いかと。
「扱い易さ」は1。片手持ち/両手持ちの両用という選択肢の多さは、扱いの難しさに直結する。
・打刀は?
バスタードソードの曲刀版、と考えて良いかと。


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