二字熟語で100のお題その1 に挑戦
牧石華月様のサイト 追憶の苑 (ついおくのその) 様よりお題を拝借致しました。
- 001:世界
- 002:輝石
- 003:水鏡
- 004:歌姫
- 005:守人(もりびと)
- 006:契約
- 007:指先
- 008:月光
- 009:腕輪
- 010:軌跡
- 011:封印
- 012:聖域
- 013:道標
- 014:散歩
- 015:夕闇
- 016:夜風
- 017:雷鳴
- 018:異国
- 019:玉石
- 020:刻印
- 021:傷跡
- 022:足枷
- 023:憎悪
- 024:病魔
- 025:愛憎
- 026:薬物
- 027:墓標
- 028:血痕
- 029:廃墟
- 030:崩壊
- 031:悪夢
- 032:眩暈
- 033:螺旋
- 034:禁忌
- 035:喪失
- 036:鳥籠
- 037:傀儡
- 038:亡骸
- 039:殺意
- 040:凶刃
- 041:楼上(ろうじょう)
- 042:灯台
- 043:砂漠
- 044:階段
- 045:高楼
- 046:浮島
- 047:都市
- 048:遺跡
- 049:天空
- 050:地下
- 051:魔法
- 052:機械
- 053:人形
- 054:主従
- 055:魔物
- 056:境界
- 057:奇矯
- 058:時間
- 059:荒廃
- 060:呪術
- 061:時計
- 062:喧嘩
- 063:継承
- 064:仮初(かりそめ)
- 065:彼方
- 066:失恋
- 067:予兆
- 068:失踪
- 069:咎人(とがびと)
- 070:刹那
- 071:復讐
- 072:胎動
- 073:左眼(さがん)
- 074:拒絶
- 075:迷路
- 076:物語
- 077:雨音
- 078:足跡
- 079:追憶
- 080:運命
- 081:回廊
- 082:細工
- 083:舞姫
- 084:占術
- 085:姫君
- 086:共鳴
- 087:泡沫(うたかた)
- 088:静寂
- 089:右手
- 090:相棒
- 091:一緒
- 092:綺麗
- 093:唯一
- 094:不死
- 095:破片
- 096:伝説
- 097:束縛
- 098:地図
- 099:別離
- 100:永遠
それは1つしかなく、
それはこの世の全て。
それはとても曖昧で、
それはあまりに広い。
知覚できる全ての事を足しても、
認識できる全ての事を足しても、
想像できる全ての事を足しても、
1にはおよそ届かない。
それは当然のようにそこにあり、
私達は当然のようにそこにいる。
その上で小さな小さな私達は、
それを自分の中に抱えている。
それはこの世の全て。
それはとても曖昧で、
それはあまりに広い。
知覚できる全ての事を足しても、
認識できる全ての事を足しても、
想像できる全ての事を足しても、
1にはおよそ届かない。
それは当然のようにそこにあり、
私達は当然のようにそこにいる。
その上で小さな小さな私達は、
それを自分の中に抱えている。
全ての人がその輝きに魅了された。
全ての人がその煌きに圧倒された。
当然の事ながら全ての人が欲した。
しかしそれは、1つしか無かった。
最初は最も財力のある人に渡った。
次には最も権力のある人に渡った。
最後は最も武力のある人に渡った。
果てにあるのは、廃墟のみだった。
全ての人がその煌きに圧倒された。
当然の事ながら全ての人が欲した。
しかしそれは、1つしか無かった。
最初は最も財力のある人に渡った。
次には最も権力のある人に渡った。
最後は最も武力のある人に渡った。
果てにあるのは、廃墟のみだった。
不意に風が止み、水面が凪いだ。
静かな水面は、揺らいだ虚像を映した。
揺らぐ月。
揺らぐ星。
揺らぐ雲。
揺らぐ私。
揺らぐ心。
揺らいだ鏡が映すのは、静かな世界。
不意に風が吹き、水鏡は壊れた。
静かな水面は、揺らいだ虚像を映した。
揺らぐ月。
揺らぐ星。
揺らぐ雲。
揺らぐ私。
揺らぐ心。
揺らいだ鏡が映すのは、静かな世界。
不意に風が吹き、水鏡は壊れた。
音が響く。 それは、声。
声が響く。 それは、歌。
歌が響く。 それは、心。
心に響く言葉、心に響く声色、心に響く旋律。
どうして心に響くのか、本人に問うた者がいた。
彼女は一言、こう答えた。
「わたしはただ‥‥歌が好きなんです。」
偽りの無い、彼女の本心だった。
純粋であるが故に、人々に響いたのだ。
声が響く。 それは、歌。
歌が響く。 それは、心。
心に響く言葉、心に響く声色、心に響く旋律。
どうして心に響くのか、本人に問うた者がいた。
彼女は一言、こう答えた。
「わたしはただ‥‥歌が好きなんです。」
偽りの無い、彼女の本心だった。
純粋であるが故に、人々に響いたのだ。
彼らは、彼らの守るべきものの為、そこにいた。
それは、国を守るため。
それは、宝を守るため。
それは、場を守るため。
それは、人を守るため。
彼らの命と引き換えにしてでも。
今そこにそれらがあるのは、彼らがいた証。
それは、国を守るため。
それは、宝を守るため。
それは、場を守るため。
それは、人を守るため。
彼らの命と引き換えにしてでも。
今そこにそれらがあるのは、彼らがいた証。
「ではこれで、契約成立だ。」
この後から、彼は何もかもが上手く言った。
何を選んでも、
何を言っても、
何を為しても、
全てが良い方向に向かった。
それこそが、契約の内容だった。
「期間は終わった。では対価を頂くぞ。」
彼は不利益を何も被っていない。
ただ単に、普通に成功も失敗もするように戻っただけだった。
しかし彼は、ほんの僅かに上手くいかないだけで苦悩した。
悪魔はさも美味そうに、その苦悩を啜った。
この後から、彼は何もかもが上手く言った。
何を選んでも、
何を言っても、
何を為しても、
全てが良い方向に向かった。
それこそが、契約の内容だった。
「期間は終わった。では対価を頂くぞ。」
彼は不利益を何も被っていない。
ただ単に、普通に成功も失敗もするように戻っただけだった。
しかし彼は、ほんの僅かに上手くいかないだけで苦悩した。
悪魔はさも美味そうに、その苦悩を啜った。
細い指の手と、長い指の手。
2つの手の指先が触れ合う。
そしてそれらが絡まり合う。
優しい指先が、身体をすべる。
なぞるように、なでるように。
とろけるように安らいでいく。
体が気持ちいいのか、
心が気持ちいいのか。
それとも、両方‥‥?
心の動きは、体に伝わる。
繊細な心は、繊細な指先に。
繊細な心が分かるから、
優しいのが分かるから、
指先で、もっと撫でて。
2つの手の指先が触れ合う。
そしてそれらが絡まり合う。
優しい指先が、身体をすべる。
なぞるように、なでるように。
とろけるように安らいでいく。
体が気持ちいいのか、
心が気持ちいいのか。
それとも、両方‥‥?
心の動きは、体に伝わる。
繊細な心は、繊細な指先に。
繊細な心が分かるから、
優しいのが分かるから、
指先で、もっと撫でて。
真夜中、明かりを消した部屋。
月明かりだけが彼女を照らす。
青白い光がぼんやりと、
彼女の輪郭を、描いた。
幻想的な光がやんわりと、
彼女の白い肌を、包んだ。
月光の下は、異世界のようで。
夢のように、彼女に見惚れた。
月明かりだけが彼女を照らす。
青白い光がぼんやりと、
彼女の輪郭を、描いた。
幻想的な光がやんわりと、
彼女の白い肌を、包んだ。
月光の下は、異世界のようで。
夢のように、彼女に見惚れた。
彼女が手を動かすと、
それが、しゃらん、と小さな音を立てる。
彼女が手を動かすと、
それが、きらり、と控えめに光をはね返す。
彼女の腕で遊ぶ、3本の細い銀色の輪。
彼女のお気に入りの腕輪。
――僕にはそれが、手枷か手錠にしか見えない。
彼女がいとおしそうに、腕輪を指で撫でた。
それは彼女の彼氏からのプレゼントだった。
――彼女の心も体も、それに束縛されているのだ、と。
それが、しゃらん、と小さな音を立てる。
彼女が手を動かすと、
それが、きらり、と控えめに光をはね返す。
彼女の腕で遊ぶ、3本の細い銀色の輪。
彼女のお気に入りの腕輪。
――僕にはそれが、手枷か手錠にしか見えない。
彼女がいとおしそうに、腕輪を指で撫でた。
それは彼女の彼氏からのプレゼントだった。
――彼女の心も体も、それに束縛されているのだ、と。
世界は広い。
一生涯をかけても全てを見ることはできない。
時代は長い。
歴史は古く、終わりもまだ見えない。
人間は多い。
広い世界と長い時代を掛け合わせただけ人間はいる。
そんな中で。
あなたの人生が描く軌跡と、
わたしの人生が描く軌跡が、
今ここで交わっている奇跡。
やがて離れるのか、ずっと重なっていくのか、
それは分からないけれど。
今はゆっくり、歩いて行きましょ。
一緒にね。
一生涯をかけても全てを見ることはできない。
時代は長い。
歴史は古く、終わりもまだ見えない。
人間は多い。
広い世界と長い時代を掛け合わせただけ人間はいる。
そんな中で。
あなたの人生が描く軌跡と、
わたしの人生が描く軌跡が、
今ここで交わっている奇跡。
やがて離れるのか、ずっと重なっていくのか、
それは分からないけれど。
今はゆっくり、歩いて行きましょ。
一緒にね。
それは外と内の接触を断つ。
何かを外に出してはならないのか、
何かを開放してはならないのか、
何かを使ってはならないのか、
それは、危険な物を封じ込める為に行われる。
しかし、人間という愚かな生物はいつでも、
隠されたものは暴こうとし、
仕舞われたものは出そうとし、
禁忌とされたものは犯そうとし、
結果、その災厄を被る。
覆水は盆に返らず、
エントロピーは常に増大する。
後悔しても、もう遅い。
何かを外に出してはならないのか、
何かを開放してはならないのか、
何かを使ってはならないのか、
それは、危険な物を封じ込める為に行われる。
しかし、人間という愚かな生物はいつでも、
隠されたものは暴こうとし、
仕舞われたものは出そうとし、
禁忌とされたものは犯そうとし、
結果、その災厄を被る。
覆水は盆に返らず、
エントロピーは常に増大する。
後悔しても、もう遅い。
それは外界とは隔たれた、神聖なる領域。
隔たれているからこそ清らかで、
隔たれているからこそ神秘的で、
隔たれているからこそ成立する。
しかし、何らかの間違いが、そこに何かの侵入を許す。
瞬間、
そこは既に穢れていて、
そこに神秘は無くなり、
そこの意味は崩壊する。
一度侵された聖域は、もう二度と戻らない。
隔たれているからこそ清らかで、
隔たれているからこそ神秘的で、
隔たれているからこそ成立する。
しかし、何らかの間違いが、そこに何かの侵入を許す。
瞬間、
そこは既に穢れていて、
そこに神秘は無くなり、
そこの意味は崩壊する。
一度侵された聖域は、もう二度と戻らない。
それは道行く旅人に先の土地について教えた。
どれだけの旅人が教わり、救われただろうか。
遥か過去からここに存在しただろう。
遥か未来までここに存在するだろう。
その身が朽ちるまで、同じ事を教え続けるだろう。
先の土地が変われど、同じ事を教え続けるだろう。
人も通らぬ場所に残された、朽ちかかった道標。
今日も道を指し示す。役目を終えた事も知らず。
どれだけの旅人が教わり、救われただろうか。
遥か過去からここに存在しただろう。
遥か未来までここに存在するだろう。
その身が朽ちるまで、同じ事を教え続けるだろう。
先の土地が変われど、同じ事を教え続けるだろう。
人も通らぬ場所に残された、朽ちかかった道標。
今日も道を指し示す。役目を終えた事も知らず。
その時間になると、彼は私を誘う。
外に出よう、と。
彼は外を歩くのがとても好きなのだ。
日課にするくらい。
彼は、私に歩調を合わせてくれる。
たまに道を変えるけど。
彼は彼の知り合いとよく会うみたい。
私も彼らと仲良くなった。
彼と私にとってはどうでもいいことだけど。
彼と私は、どんな関係でしょう?
外に出よう、と。
彼は外を歩くのがとても好きなのだ。
日課にするくらい。
彼は、私に歩調を合わせてくれる。
たまに道を変えるけど。
彼は彼の知り合いとよく会うみたい。
私も彼らと仲良くなった。
彼と私にとってはどうでもいいことだけど。
彼と私は、どんな関係でしょう?
気を付けなければならない。
いつの間にか忍び寄られる。
気付かないでいては危険だ。
それは悪魔の手なのだから。
最も物を視認しにくい時間。
まだ明るいと油断する時間。
最も事故の起きやすい時間。
夕闇は今日も獲物を求める。
いつの間にか忍び寄られる。
気付かないでいては危険だ。
それは悪魔の手なのだから。
最も物を視認しにくい時間。
まだ明るいと油断する時間。
最も事故の起きやすい時間。
夕闇は今日も獲物を求める。
夏祭りの帰り道。
先ほどまでの喧騒が嘘のように静まり返った道。
虫の音と私達の足音だけが響いていた。
はしゃいで火照った身体を、夜風が優しくゆっくり冷ましていく。
それが気持ち良くて、私は上機嫌。
そんな私を、彼はあきれたような、だけど優しい目で見ていた。
「やっぱり自然の風が一番気持ちいいよねっ!」
「じゃあ今日から、夜はクーラー無しで過ごそうか?」
「ああっ、それは無理!」
「都会じゃなければ、結構平気なものなんだけどね。」
郊外の彼の実家は、風通しもいい。
確かに夏の夜も過ごせるだろう。
でも明日からはまた、都会での生活が始まる。
こんなにも優しい夜風は、そこでは吹いてくれない。
先ほどまでの喧騒が嘘のように静まり返った道。
虫の音と私達の足音だけが響いていた。
はしゃいで火照った身体を、夜風が優しくゆっくり冷ましていく。
それが気持ち良くて、私は上機嫌。
そんな私を、彼はあきれたような、だけど優しい目で見ていた。
「やっぱり自然の風が一番気持ちいいよねっ!」
「じゃあ今日から、夜はクーラー無しで過ごそうか?」
「ああっ、それは無理!」
「都会じゃなければ、結構平気なものなんだけどね。」
郊外の彼の実家は、風通しもいい。
確かに夏の夜も過ごせるだろう。
でも明日からはまた、都会での生活が始まる。
こんなにも優しい夜風は、そこでは吹いてくれない。
彼女は泣きそうな顔で耳を塞いでいた。
外は大雨。典型的な、夕立という奴だ。
不意に閃光。彼女が短い悲鳴を上げた。
どうやら本当にとても凄く苦手らしい。
一瞬の間を置いて、空気を引き裂く音。
近い雷鳴はゴロゴロでなくバリバリだ。
ああこれは間違い無く近くに落ちたな。
傍で彼女が表記不明な泣き声を上げた。
とりあえず頭でも撫でて慰めてやろう。
本当は僕も、雷は苦手なんだけどなぁ。
外は大雨。典型的な、夕立という奴だ。
不意に閃光。彼女が短い悲鳴を上げた。
どうやら本当にとても凄く苦手らしい。
一瞬の間を置いて、空気を引き裂く音。
近い雷鳴はゴロゴロでなくバリバリだ。
ああこれは間違い無く近くに落ちたな。
傍で彼女が表記不明な泣き声を上げた。
とりあえず頭でも撫でて慰めてやろう。
本当は僕も、雷は苦手なんだけどなぁ。
外見が違う。
文化が違う。
風習が違う。
言語が違う。
人間は、違う物を排斥する。
同時に、違う物を欲求する。
故に、異国を恐れ、
故に、異国を好む。
時にそれは災いを生み、
時にそれは奇跡を生む。
貴方はそんな遠方の地に、
どのような想いを馳せるのだろうか?
文化が違う。
風習が違う。
言語が違う。
人間は、違う物を排斥する。
同時に、違う物を欲求する。
故に、異国を恐れ、
故に、異国を好む。
時にそれは災いを生み、
時にそれは奇跡を生む。
貴方はそんな遠方の地に、
どのような想いを馳せるのだろうか?
価値とは、多くは文化によって決まる物だ。
しかし必ずしもそれだけという物でもない。
本能的に人間は、光り輝くものを好むのだ。
例えばここに宝石と普通の石を散りばめる。
言わゆる玉石混淆という状態がこれである。
多くの人間が先に宝石に興味を抱くはずだ。
それが例え、宝石の価値を知らない者でも。
人間には煌くものを好む必然性があるのだ。
つまり結局僕が何を言いたいのかというと。
宝石より煌く君の瞳を見詰めていたいんだ。
しかし必ずしもそれだけという物でもない。
本能的に人間は、光り輝くものを好むのだ。
例えばここに宝石と普通の石を散りばめる。
言わゆる玉石混淆という状態がこれである。
多くの人間が先に宝石に興味を抱くはずだ。
それが例え、宝石の価値を知らない者でも。
人間には煌くものを好む必然性があるのだ。
つまり結局僕が何を言いたいのかというと。
宝石より煌く君の瞳を見詰めていたいんだ。
私が印を刻み込むのを、彼女は不思議そうな目で見ていた。
どうやら彼女は私がどのような者であるか知らないらしい。
「何をしているの?」
「力ある印を刻んでいる。」
答えても何の事か分からないらしく、ますます首を傾げた。
知らずとも仕方あるまいか。この辺りでは一般的では無い。
「何が起こるの?」
「何も起こさないが、効果はすぐに分かる。」
2日後、一帯は大きな地震に襲われ、火事にも見舞われた。
そんな中、私が保護したこの家に大きな被害は出なかった。
「あなたは、何者なの?」
「刻印の魔術師だ。ルーンの使い手といえば分かるか?」
力ある刻印ルーンを刻み、守護の魔術を行使するのが私だ。
仕事を終えた私は残りの報酬を受け取り早々に立ち去った。
どうやら彼女は私がどのような者であるか知らないらしい。
「何をしているの?」
「力ある印を刻んでいる。」
答えても何の事か分からないらしく、ますます首を傾げた。
知らずとも仕方あるまいか。この辺りでは一般的では無い。
「何が起こるの?」
「何も起こさないが、効果はすぐに分かる。」
2日後、一帯は大きな地震に襲われ、火事にも見舞われた。
そんな中、私が保護したこの家に大きな被害は出なかった。
「あなたは、何者なの?」
「刻印の魔術師だ。ルーンの使い手といえば分かるか?」
力ある刻印ルーンを刻み、守護の魔術を行使するのが私だ。
仕事を終えた私は残りの報酬を受け取り早々に立ち去った。
彼女はそれをとても気にしているらしい。
教えてもらうまで全然気付かなかった、
小さな傷跡。
僕はあまり怪我を多くはしなかったけれど、
それでも彼女のよりは大きな傷跡が2つ、
残っている。
女の子が傷跡をすごく気にするのは多分、
完璧な美しさを求めているからだろう。
無意識でも。
彼女には言わないけど実は僕は思っている。
僕は完璧な物よりもちょっと欠けた物が、
好きなんだ。
その小さな傷跡を知った事でなおのこと、
僕は彼女をとてもとても愛おしく思う。
おかしいかな?
教えてもらうまで全然気付かなかった、
小さな傷跡。
僕はあまり怪我を多くはしなかったけれど、
それでも彼女のよりは大きな傷跡が2つ、
残っている。
女の子が傷跡をすごく気にするのは多分、
完璧な美しさを求めているからだろう。
無意識でも。
彼女には言わないけど実は僕は思っている。
僕は完璧な物よりもちょっと欠けた物が、
好きなんだ。
その小さな傷跡を知った事でなおのこと、
僕は彼女をとてもとても愛おしく思う。
おかしいかな?
痛い。 重たい。
鼻につく鉄の臭い。
この苦しさを、
この不自由さを、
このもどかしさを、
どう表現しようか。
この理不尽さを、
呪いたくなる。
私が一体、
何をしたと?
「今日だけなんだろ? つらいとは思うけど、我慢しなよ。」
鼻につく鉄の臭い。
この苦しさを、
この不自由さを、
このもどかしさを、
どう表現しようか。
この理不尽さを、
呪いたくなる。
私が一体、
何をしたと?
「今日だけなんだろ? つらいとは思うけど、我慢しなよ。」
何が理由かと言われればいろいろある。
だが。
そんな事はもはや、どうでもよい事だ。
憎い。
何が憎いと言われれば、答えは1つだ。
全て。
容姿も言動も仕草も性格も何もかもだ!
ああ!
それで誰が何と言おうが何を思おうが!
■■!
俺の前から、永遠に消えて無くなれ!!
だが。
そんな事はもはや、どうでもよい事だ。
憎い。
何が憎いと言われれば、答えは1つだ。
全て。
容姿も言動も仕草も性格も何もかもだ!
ああ!
それで誰が何と言おうが何を思おうが!
■■!
俺の前から、永遠に消えて無くなれ!!
見えない物が彼女を蝕む。
彼女はもう何年、闘っているのだろうか。
彼女がまた小さく咳をした。
彼女の辛さが、僕には分からない。
それがとても、もどかしい。
でももしも彼女と同じになったら、
僕は彼女を支えられない。
いや、今でも支える事ができているのか、
正直なところ分からない。
彼女は本当は何を望んでいるのだろうか。
して欲しい事は何だろうか。
いつも何を考えているのだろうか。
そればかりが気になる。
そんな僕は、別の病にかかっているのか。
彼女はもう何年、闘っているのだろうか。
彼女がまた小さく咳をした。
彼女の辛さが、僕には分からない。
それがとても、もどかしい。
でももしも彼女と同じになったら、
僕は彼女を支えられない。
いや、今でも支える事ができているのか、
正直なところ分からない。
彼女は本当は何を望んでいるのだろうか。
して欲しい事は何だろうか。
いつも何を考えているのだろうか。
そればかりが気になる。
そんな僕は、別の病にかかっているのか。
-- Piece of Phantom --
composed by Phant.F
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