Nide's Room
一枚の地図があった。その地図は、王国の一点を示していた。‥‥非常に複雑に入り組んだ裏通りの中。
狭い路地にある地下への下り階段を行くと、薄暗い部屋があった。
ファントの部屋とよく似た雰囲気の部屋。あの部屋よりも、やや殺風景だろうか。
例によって、机の上だけがファイルで多少散らかっている。
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銀灰色の髪はこの薄暗い部屋では輝きを無くし、おぼろげな影となって彼にまとわりついている。
深い青色の眼は鋭さを増し、視線だけで射殺されそうな錯覚さえするほどだ。
『ファント』よりも若干低い声で、彼は言った。
「‥‥よくここを見つけたものだな。 まあ折角来たのだ、ゆっくりしていくといい。 ここでなら、本来のオレが相手をするとしよう。」
それは同一人物とは思い難い、冷たい口調だった。